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パニック障害改善の可能性 [医食]

 祖父母が好んで食べていた青魚のドコサヘキサエン酸(DHA)などの魚油が人の情動や心の病気と関係があるのか。魚油研究者の間では、DHAが脳内のセロトニン作動性ニューロンを活性化するからではないかと考えられている。

 このニューロンは人の情動のかかわる脳神経細胞で、それがうまく働かなくなると、鬱や自殺衝動、攻撃性が増加するといわれている。突然、激しい動悸や不安に襲われるパニック障害も、このセロトニン作動性ニューロンと関係があり、今後、魚油を食することで改善できる可能性もあるのではないかと考えられている。

 パニック発作時には、ノルアドレナリンという脳内伝達物質が増えているが、これはセロトニン作動性ニューロンが活性化することで減るという。食物の研究者の研究では、DHAの摂取で血液中のノルアドレナリンが減少することが、すでに確認されている。

 今後は、DHAとパニック障害の関連性もより詳しく研究され、パニック障害の改善も速やかに進むとみられている。魚は心に効く。冒頭の話題のように、脳にDHAが多いのも、なるほどとうなずける。

 もし、自分の子がすぐにキレたり、イライラしたり、気分が落ち込むようなら、魚不足が原因のひとつになっているかもしれない。日本人は平均で2日に1回ほど、魚をたべているといわれている。これだけ魚を食べていれば、DHAとDPA(ドコサペンタエン酸)の1日の摂取量は、だいたい1グラムになり、十分足りている。

 しかし、もし魚をあまり食べていないようなら、DHAやDPA不足になっている可能性もあるから、魚は積極的に食べるように心がけるべきである。魚が苦手な人はサプリメントでDHAやDPAなどを補うことも重要である。サプリメントを利用するときは、DHAやDPAが入ったものを選び、1日に0,5グラムほど摂取する必要がある。



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DHAと情動面の関係 [魚油]


 ドコサヘキサエン酸(DHA)は人間の脳にとって重要な成分だが、その作用は知能面より、むしろ情動面との関係が深いといわれている。

 例えば、産後6週間~8週間の母親のマタニティーブルー、衝動性や攻撃性、鬱、自殺といった「心の問題」とのかかわりだ。

 この「心の問題」の研究では、
医学生をDHAの摂取グループと非摂取グループの分け、攻撃性や敵意性を調べる実験を行った。その結果、DHAの摂取グループと非摂取グループの間で知能の差はなかったが、攻撃性や敵意性では大きな違いがみられたという。

 実験をした時期は、ちょうど医学生たちの進級や卒業試験の直前で、そのストレスが影響してか、DHAの非摂取グループでは心理テストの結果、攻撃性や敵意性の上昇がみられた。が、反対にDHA摂取グループではまったく変化がみられなかった。ストレスが強くかかる状況下でも、攻撃性が抑えられ、平常時と同じ心の落ち着きを維持できていたわけだ。

 この実験結果をもとに、小学生を対象にした実験も試みた。
小学4年生から小学6年生の179人を2グループに分け、1グループにはDHA入りのパンやソーセージ、スパゲティ、DHA摂取量は週に3,6グラムを与え、他グループにはDHAを含まない同様の食品を食べてもらった。

 誰がどちらを食べているかは、本人も家族もわからない二重盲検法という実験方法だ。

 そして、3ヶ月後、衝動性の程度を調べる心理テストを実施。「人が話しているのを途中で遮らないか」、「ゲームなどをするとき、自分の順番がくるまでじっと待てるか」などの質問に対して、小学生の両親に答えてもらった。

  その結果、DHA摂取グループでは、摂取前に比べ衝動性が明らかに低下していたという。「最近は、ささいなことですぐキレる子が増えているが、このキレるもとになっているのが、衝動性である。そんな子たちに、魚を積極的に食べてDHAを摂取すれば、キレる心を抑えられる可能性もある」。

 また、鬱と魚の摂取量にも関係があると推考されている。鬱病やマタニティーブルーの発症率は、魚の消費量が少ない国ほど高かったと報告されている。実際、鬱病の治療で、魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)という脂肪酸が有効だったという治療結果もある。
 
 さらに、自殺をする人は魚嫌いが多いという報告もフィンランドでの調査では、週2回以上、魚を食べる人は、そうでない人に比べて、抑鬱の傾向が32%、自殺願望は43%低かった。

 日本でも、国立がんセンターの教授が約26万人を17年間、追跡した疫学調査で、魚を毎日食べる人は食べない人より自殺者が少なかったと報告している。



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魚油のDHA(ドコサヘキサエン酸) [医食]

 

 お年寄りは「人間は、首から下は陸上動物だが、
首から上は魚のようだ」と言う。

 魚にはドコサヘキサエン酸(DHA)という脂肪酸が多く含まれているが、人間の場合、これがもっとも多く存在している場所が首から上の脳や網膜であるからだろう。

  脳は他の臓器と違って、水に浮いたような状態で頭骸骨に納まっている。このように考えてみると、人間の頭の中は魚のようだと思う人も存在する。
 DHAは魚油に含まれる必須脂肪酸で、ブリ、サバ、イワシ、マグロなど背の青い魚に多い。DHAの健康効果は様々だが、なかでも動脈硬化や心臓病の予防や改善、特に、脳への作用だ。

 昔から、「魚を食べると頭がよくなる」といわれ、脳へのDHA効果が注目されだしたのは、1990年代初めからで、そのきっかけになったのが、イギリスの栄養学者が「日本の子供がヨーロッパの子供より知能指数が高いのは、魚を多く食べるからだ」と唱えた説だ。

 実際、妊娠中にDHAなどの魚油を多量に摂取した母親から生まれた子は、DHA不足の母親の子より、知能指数が高かったという研究結果もいくつかある。
 しかし、「DHAで頭がよくなる」説には疑問が残る。
DHAが足りている子と、不足している子を比較すれば、
前者の方が知能が高いといえるかもしれないが、もともとDHAが足りている子が、さらにDHAを多く摂っても、より頭がよくなるということはない。
 つまり、DHAを摂れば頭がよくなるのではなく、DHAが不足すると知能の発達に影響が出てくると解釈した方がいいといわれている。


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