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アンセリンと水素イオン濃度 [医食]

 

 抗疲労効果が見込めるアンセリンをカツオやマグロから摂取するためには、刺身やたたきの他に、カツオ節からダシを取る方法もある。アンセリンは水溶性に富み、熱にも強いので、ダシからも容易に摂取することができる。

 たとえば、カツオ節でダシを取った味噌汁なら、1杯に約50mgのアンセリンが含まれている。これだけで必要量は満たせないが、味噌汁はカツオやマグロの刺身と違って毎日の食卓に上がるから、アンセリンの貴重な補給源になる。また、ダシの中にアンセリンをより効率よく抽出させるには、表面積の大きい花ガツオが最も適している。

 アンセリンには抗疲労効果のほかにも、いくつかの体質改善作用が認められている。そのひとつが、体内で発生する活性酸素を消去する抗酸化作用だ。

 活性酸素は、いわば悪玉化した酸素で、これが体内で大量に発生すると、老化、ガン、生活習慣病などを促進するといわれる。  

 体内にはこの有害な活性酸素を無害化しょうと、いろいろな酵素が働いているが、この酵素の働きも水素イオン濃度(PH値)に左右されていて、体内が弱アルカリの状態のとき、酵素活性が高くなる。

 アンセリンには、前に述べているように水素イオン濃度(PH値)を適正に保つ緩衝作用があるから、酵素活性の働きが活発になり、その結果、活性酸素を消去する抗酸化作用も強くなる。

 また、酵素活性の働きが活発になることで皮膚の線維芽細胞を活性化して、コラーゲンの合成を促進し、傷の治りを早める作用もある。最近では、紫外線によるコラーゲンの変性を抑制する目的で、アンセリンを主成分にした化粧品も開発されている。

 もちろん、カツオやマグロに含まれるのは、アンセリンだけではない。血液をサラサラにするドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ビタミンB群、ビタミンD、鉄分などの他に、アミノ酸も豊富だ。

 カツオ節は「タンパク質の塊」で、生のカツオに約70%含まれていた水分は、カツオ節に加工されると15%まで減少。それにともなって、タンパク質の含有量は生のときの25%から77%へと飛躍的にアップする。しかも、カビをつけ発酵させることで、アミノ酸が変化して「うまみ」を生み出すのである。



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