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DHAと情動面の関係 [魚油]


 ドコサヘキサエン酸(DHA)は人間の脳にとって重要な成分だが、その作用は知能面より、むしろ情動面との関係が深いといわれている。

 例えば、産後6週間~8週間の母親のマタニティーブルー、衝動性や攻撃性、鬱、自殺といった「心の問題」とのかかわりだ。

 この「心の問題」の研究では、
医学生をDHAの摂取グループと非摂取グループの分け、攻撃性や敵意性を調べる実験を行った。その結果、DHAの摂取グループと非摂取グループの間で知能の差はなかったが、攻撃性や敵意性では大きな違いがみられたという。

 実験をした時期は、ちょうど医学生たちの進級や卒業試験の直前で、そのストレスが影響してか、DHAの非摂取グループでは心理テストの結果、攻撃性や敵意性の上昇がみられた。が、反対にDHA摂取グループではまったく変化がみられなかった。ストレスが強くかかる状況下でも、攻撃性が抑えられ、平常時と同じ心の落ち着きを維持できていたわけだ。

 この実験結果をもとに、小学生を対象にした実験も試みた。
小学4年生から小学6年生の179人を2グループに分け、1グループにはDHA入りのパンやソーセージ、スパゲティ、DHA摂取量は週に3,6グラムを与え、他グループにはDHAを含まない同様の食品を食べてもらった。

 誰がどちらを食べているかは、本人も家族もわからない二重盲検法という実験方法だ。

 そして、3ヶ月後、衝動性の程度を調べる心理テストを実施。「人が話しているのを途中で遮らないか」、「ゲームなどをするとき、自分の順番がくるまでじっと待てるか」などの質問に対して、小学生の両親に答えてもらった。

  その結果、DHA摂取グループでは、摂取前に比べ衝動性が明らかに低下していたという。「最近は、ささいなことですぐキレる子が増えているが、このキレるもとになっているのが、衝動性である。そんな子たちに、魚を積極的に食べてDHAを摂取すれば、キレる心を抑えられる可能性もある」。

 また、鬱と魚の摂取量にも関係があると推考されている。鬱病やマタニティーブルーの発症率は、魚の消費量が少ない国ほど高かったと報告されている。実際、鬱病の治療で、魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)という脂肪酸が有効だったという治療結果もある。
 
 さらに、自殺をする人は魚嫌いが多いという報告もフィンランドでの調査では、週2回以上、魚を食べる人は、そうでない人に比べて、抑鬱の傾向が32%、自殺願望は43%低かった。

 日本でも、国立がんセンターの教授が約26万人を17年間、追跡した疫学調査で、魚を毎日食べる人は食べない人より自殺者が少なかったと報告している。



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