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カツオやマグロのアンセリン効果 [医食]



 カツオやマグロは口先と尻尾が細く、胴体が膨らんだ流線型の体形は水の抵抗を抑え、寄り速くスムースな泳ぎを可能にしている。
 平均時速が約30キロ、エサの群れに突進するときは最速で
100キロ、しかも休むこともなく常に泳ぎ回っている。

 また、口を半開きにして泳ぐことで、海中の酸素を効率よく体内へ取り込む。そして、驚異的な持久力と瞬発力を支えているのが、重量のほとんどを占める筋肉だ。

 その筋肉の中には、アンセリンという物質が含まれているが、実は、このアンセリンがカツオやマグロのパワーの源である。アンセリンは、ヒスチジンとβ-アラニンというふたつのアミノ酸が結びついた「ジペプチドアミノ酸」で、高速で長時間、泳いだり走ったりする動物の筋肉に多く含まれている。

 カツオやマグロといった回遊魚をはじめ、クジラ、イルカ、サメなどに多い。また、陸上動物ではチーターやトラ、ライオン、馬、ワシ、渡り鳥などが主な動物である。
 では、アンセリンのどんな働きがこれらの優れた運動能力をサポートしているのか。それは「緩衝作用」が大きいといわれている。

 通常、筋肉内の水素イオン濃度は7,4の弱アルカリ性だが、激しい運動をすると、乳酸などの疲労物質がたまり、酸性に傾く、
 この結果、エネルギー代謝が低下して疲労を覚え、「これ以上、動けない」といった状態を招く。

 ところが、アンセリンには水素イオン濃度を調整する作用があり、酸性に傾いた筋肉内の水素イオン濃度を本来の弱アルカリ性に戻してくれる。これが「緩衝作用」と呼ばれるものだ。

 つまり、アンセリンには、筋肉の水素イオン濃度が酸性に傾くのを防いで、乳酸の蓄積やエネルギー代謝の低下を抑える抗疲労効果がある。だからこそ、カツオやマグロは疲れ知らずで泳ぎ続けられるというわけである。



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