SSブログ

子供たちにドコサヘキサエン酸(DHA) [幼児]



 魚の油ドコサヘキサエン酸(DHA)は人の脳にどのように働くのだろうか。魚に含まれるDHAとEPA(エイコサペンタエン酸)は、構造がよく似ている。そのため同じような働きをすると思われがちだが、脳の栄養になるのはDHAのほうだという。

 そのカギは脳血管の入り口である血液脳関門にある。
この血液脳関門を通って脳に入れるのは、じつはDHAだけだ。 

 脳の神経細胞にDHAが入ると、細胞を覆っている脂質の二重膜が軟らかくなる。神経細胞はつながっていないため、アセチルコリンやドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質が放出され、神経細胞の先端であるシナプスがこれを受け止め、次々に情報が伝わっていく。

 つまり、DHAによって脳の細胞膜が柔軟になり、情報の伝達がスムーズになるのである。DHAには神経細胞の成長を促進する働きもあると考えられる。

 「窮鼠、猫を噛む」というように、鼠にストレスがかかると攻撃性が強くなるが、DHAを与えると、その攻撃性が抑えられたという実験例もある。

 鬱や自殺志向、すぐにキレるといった状態のときは、脳の中の伝達性になんらかの問題がある。DHAは薬ではないが、脳の伝達機能を改善する働きがある。

 DHAは母乳中に含まれ、赤ちゃんの脳の発育には欠かせない。しかし、DHAは牛の乳には含まれていない。このため日本の育児用の粉ミルクにDHAが強化されるようになった。DHA入りのパンを給食に出している学校もある。

 毎日、魚を食べていれば、DHAは500~1000ミリグラムに近い量が摂取できるが、食事の欧米化にともなって家庭で魚を食べさせることが少なくなったために、脳が発達する大切な時期に、子供たちのDHA摂取量は100グラムを切っている。その意味で学校給食にDHAを取り入れることが大切である。



タグ:給食
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0